踊り子

時には、過去は古いジャケットのポケットに忘れられた物のように振る舞う。どこか遠くに置き忘れたかのように思えるが、突然発見され、もはやそこにないふりをすることは不可能になる。思考はレコードのように繰り返し戻ってきて、いつも「もし…だったら」という選択肢を考えたい気持ちになる。

この歌には、この「少しだけ巻き戻したい」という終わりのない想いが響いている。しかし、ノスタルジアに満ちていながらも、奇妙な堅固さが残っている。たとえ時間が再び巻き戻っても、重要なものは手元に残っている、つまり、消えることなく形を変えるだけの愛が残っている、という感覚だ。そうすれば、繰り返しは罠ではなく、確信を得る手段となる。何が起こっても、核心は常に同じままである、と。