Akureyri

ウールの毛布に包まって、明日の朝まで隠しておきたいような夜がある。窓の外にオーロラも特別な奇跡も起こらないのに、それでも心が温かくなる夜。ただ、そばに、沈黙の心得を知っている人がいるから。

音楽は、毛布の下の息遣いのように優しく響く。少し切なく、少し心地よく、あの気まずい「もう少しだけいて」という気持ちと共に。ここでの愛は、大げさでもドラマチックでもなく、ただ、世界が起きるべき時間を思い出すまでの瞬間を、少しでも長く続けようとする試みだ。たとえ夜明けが訪れなくても、二人のそばにあるこの光で、十分なんだ。