Города любви

海と道の香りがする。その空気は、塩辛い髪が風に乱れ、思い出が忘れられない誰かを思い起こさせる。皆はとっくにそれぞれの「狂った国」へと散っていったが、懐かしい和音を耳にすると、そこには鳥肌が立つほどの夏がある。

まるで柔らかな光に包まれた古い写真のように聞こえる。そこでは、愛はまだ敗北を知らず、すべてが初めて起こり、言葉と言葉の間の間も、気まずさではなく、告白と告白の間の息づかいである。二人の物語には、いつも省略記号が残されている。もし再び出会ったら、続きを書き加えることができるように。