legacy

非難のように聞こえる曲もあるが、実際には鏡のようなものに近い。繰り返される「you’re still missing me」には、誇りや恨みではなく、失ったものの価値に遅ればせながら気づくときの皮肉が込められている。

メロディーは、空っぽの部屋でタバコから立ち上る煙のように、かすみのように包み込み、その霧の中に、単なる恋愛の歴史以上の、何か大きなものの遺産のような感覚がちらちらと見える。ここには、軽いカオスと、自分の力への自信、そして「何でも可能だけど、君なしでは無理」というほのめかしがある。この音楽は、苦くも甘い余韻を残す。それは、時には、失うべきではない人を失うのではなく、その人がいなければ生きていけない人を失うことがあるという、思い出させるような余韻だ。