nice & slow

まるで突然の出会いに驚いたかのように、駆け寄りたい気持ちはあるのに、なぜか足が後ずさりしてしまう。心臓はリズムよりも速く鼓動しているが、誇張ではなく誠実さがある。「私はあまり踊りが得意じゃないから、振り付けはなしにして、ゆっくり、できる範囲でやろう」。そこには何か感動的なものがある―計画ではなく、相手の動きに合わせて歩む用意があることに基づく信頼だ。軽やかさ、ぎこちなさ、そして「もう少し」と「もう始まった」の間の、あの甘美な間。